小さなピアニストたち

 

空を見上げれば、新緑が眩しい季節🌿。

まるで、鮮やかな緑色のグラデーションが競演しているようですね。

 

 

さて、先日、数名の生徒さんたちが、あるコンサートに出演させて頂きました。

本番のステージはもちろん、練習の過程も含め、貴重な経験になられたことと思います。お世話になりました関係者のみなさま、ありがとうございました。

 

 

トップバッタ―の年中さんは、初めての大ホールにたくさんのお客様、「きんちょうするの。。」と、ただならぬ雰囲気を感じていた様子です。

舞台袖からステージへ踏み出す一歩は、誰にとっても特別な瞬間。Hくんもお母さまと私の手をぎゅっと握り、ありったけの勇気で舞台に向かいます。お客様もドキドキしながら見守ってくださっているのが伝わります。しかし、ピアノの椅子に座ると、自然に手は鍵盤へ。いつものように姿勢を整え、数えて息を吸って弾き始めてくれました🥹。

お顔は、鍵盤ではなく、ほぼお母さまの顔を見つめながらの演奏でしたが、深い息で大きなフレーズを歌うように弾く姿に、会場のお客様からどよめきが起こりました。4歳さんから見える世界は、大きな会場にたくさんの大人たち、きっとすべてが巨人の世界だったことでしょう。この大冒険が、今後大きな成長へと繋がってくれると信じています。これからいろいろな経験を一緒にしていきましょうね。本当によく頑張りました👏。

 

 

次は、小学校高学年のお兄ちゃん。最近、緊張から本番で思うような演奏が出来ずに、悔しい想いをしてきたようです。

最後のレッスンでは、敢えて少し厳しい言葉も掛けて送り出しましたので、客席から祈るような気持ちで見ておりました。

しかし、練習で自分の弾きたいイメージをしっかりと持って、本番に臨むことができたようです。説得力のある響きで音楽がどんどん進んでいきます。後半は、自分の音を聴く余裕も出てきて、Sくんの世界が会場中に広がっていきました。

弾き終わった直後、お客様の興奮が大きな拍手となって、彼に注がれているのを見て涙涙。

知らない方々からもお声を掛けて頂き、応援に駆けつけてくれたおじい様とおばあ様も、とても喜んでくださったそうです。

自分の演奏を聴いて喜んでくださる方がいたこと、緊張という大きな壁を乗り越えられたこと、これらの経験は、きっと大きな自信へと繋がってくれることでしょう。これからも一つ一つの経験を大切に、一緒に成長していきましょうね🤝。

 

 

 

最後は高校生になられたHちゃん。初めて10分を越えるショパンの大曲に挑戦しました。3週間前に譜読みが終わったばかりですが、見事暗譜で完走してくれました!。音楽的にはこれから向き合っていく曲ですが、自分の音をよく聞きピアノと対話するように演奏する姿が、とても美しく惹きつけられました。私のドレスを着て演奏してくれた姿にも、成長を感じ涙涙。

彼女の頑張りを見ていると、私も「出来ない」や「無理」などの言葉を、簡単には言ってはいけないと気付かされます。約10年、色々な日々の中で真摯にピアノと向き合ってきたことで、元々彼女の中にあった芯が、より太く強く成長してきたようです。そして、どんな状況でも対応しようとするしなやかさも兼ね備えてきたように思います。

普段は、とても控えめで周りの人たちを気遣う優しい彼女ですが、ピアノから発せられる息遣いからは、こう弾きたいという熱い意志が伝わってきます。どんな状況でも、全力で自己表現しようとするHちゃん。

これから自分の音楽が色濃く出始める時期、Hちゃんがどのように成長し、どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみです✨。

 

 

大ホールで演奏する生徒さん
大ホールで演奏する生徒さん

「100回の練習よりも1回の本番」

本番の舞台でしか感じられないもの、気付くことができないものがあります。

目標に向けた練習の中で養われていく精神力、集中力、自己表現力、共感力、

これらは、ピアノに限らず人生においてとても大切なもの。

私自身、研鑽を積むと共に、生徒さんたちにもできるだけ発表の機会をご提案させて頂けたらと思っております。

 

 そして、ステージでみなさんの演奏を聴かせて頂けることが、何よりの喜びです♬。